• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2023年12月13日(水)

ここから本文です。

知事記者会見

2023年12月13日(水)


知事発表項目(送迎用バスに対する安全装置の設置状況、県道富士由比線「富士川かりがね橋」の開通)、幹事社質問(リニア中央新幹線)
一般質問(自民党パーティー券、リニア中央新幹線関連)
一般質問(リニア中央新幹線関連)
一般質問(送迎用バスの安全装置、議会とのコミュニケーション)
一般質問(知事の政治姿勢)
一般質問(議会とのコミュニケーション、リニア中央新幹線関連、東海道新幹線の増便)

知事発表項目(送迎用バスに対する安全装置の設置状況、県道富士由比線「富士川かりがね橋」の開通)、幹事社質問(リニア中央新幹線)

(知事)

よろしくお願いします。今回のお花はですね、静岡県立遠江総合高等学校食品園芸系列の3年生が作成したフラワーアレンジメントです。タイトルは特になく、各々自由にイメージを膨らませてくださいということですが、いかがですか。普段は本館2階のロビーに展示しているということで、お楽しみください。

さて発表項目でございますけれども、2つあります。1つは送迎用バスに対する安全装置の設置状況ですが、まずですね、令和5年10月末時点のことですけれども、昨年9月5日に牧原市内の認定こども園で発生した、送迎バス内での園児の死亡事件を受けまして、国において、令和5年4月から、送迎用バスに対する安全措置の、安全装置の設置とバス乗降時の点呼等による園児の所在確認が義務化されました。安全装置の設置状況につきましては、これまで6月に全国調査が、8月には本県独自の調査を行い、公表してまいりました。このたび10月末時点での全国調査が実施され、本県の設置率は70%であります。この調査結果の内容につきまして担当課長が来ていますのでよろしくお願いします。

 

(こども未来課長)

こども未来課長の鈴木でございます。10月末時点での安全装置の設置状況につきまして説明をいたします。教育・保育施設、障害児通所支援事業所の県全体の安全装置の設置状況は、概要にありますとおり、10月末時点で1841台中1289台、設置率は70%となっております。また今回は設置予定調査も実施しておりまして、12月末には84.2%、3月までには設置率100%が予定をされております。具体的には、教育・保育施設におきましては、2の括弧1の表にありますとおり、保育所、認定こども園、幼稚園、特別支援学校では、10月末時点の設置率が100%もしくは95%以上となっております。他方、認可外保育施設では、県所管の設置率が10月末時点で48.5%となっておりまして、外国人施設での設置が進んでおりませんで、必要に応じ、制度や補助金の説明を、ポルトガル語の書類や通訳をもって支援を行いまして、設置を促しているところであります。また障害児通所支援事業所におきましては、2の括弧2の表のとおり10月末時点で設置率は60.1%となっておりまして、県では設置を促すため、具体的な導入事例の紹介や、補助金の申請方法など、各施設に電話で説明を行っているところでございます。今後も子供の安全を確保するため、設置率100%達成を目指し、施設への働きかけや支援を実施してまいります。以上であります。

  

(知事)

どうもありがとうございました。ということであります。

もう1つの発表項目ですけれども、県道富士由比線の富士川かりがね橋の開通についてであります。平成14年度に事業に着手いたしました、富士川に架かる県道富士由比線の富士川かりがね橋が来年、3月9日の土曜日に開通する運びとなりました。富士川かりがね橋の開通により、下流に架かる富士川橋の慢性的な渋滞を緩和するとともに、山梨県峡南地域までも含めた広範囲の交流が活性化するなど、当地域の発展に大きく寄与するものと期待しているところであります。なお開通に先立ち、当日午前10時から新々富士川橋建設促進期成同盟会、会長は富士市長さんですけれども、と、静岡県の共催による開通式典を富士市立岩松中学校の体育館で開催いたします。なお開通式直前の2月23日金曜日の祝日でありますが、富士山の日であります、プレイベントを開催いたしまして、これまで事業に御協力いただいた地元の方々に橋の上、橋上を散策していただき、開通による効果などのPRを行いたいと思っております。私の発表項目は以上であります。

 

(幹事社)

幹事社読売新聞です。ただいまの知事の発表について質問のある社はお願いします。特になければ、すいません、幹事社質問に入ります。幹事社の読売新聞から質問します。リニア問題についてですけれども、生態系への影響などを議論してきた国の有識者会議が、今月7日に報告書を取りまとめて国交大臣に提出しました。翌8日に大臣がJR東海社長に、報告書に基づいた必要な対策をとるよう要請しました。国がJRの対策にお墨付きを与えるような形となっていますが、この報告書が取りまとめられた意義について、改めて知事の見解を伺います。またJR東海の丹羽社長がですね、7日の記者会見で、名古屋・大阪間のアセスメントを始めたことを明らかにしました。静岡工区での国の報告書を取りまとめるタイミングと、前後する形となりましたけれども、知事はどのように受け止めておられますか。

 

(知事)

はい。まず、令和4年6月8日に開催された第1回環境保全有識者会議以降、計14回、1年6か月にわたり、中村座長のもとで熱心に議論をしていただきまして、今般、報告書が取りまとめられたことに対しまして、座長さんをはじめとする委員の皆様方に敬意を表するとともに、この御尽力に対して感謝申し上げたいと存じます。お読みになりました?お読みになった人どのぐらいいらっしゃいます?手を挙げてみてください。非常にわかりやすいですね。前の1回目の報告書、中間報告ですが、あれはなかなかに、わかりづらく書かれてるように思いました。今回のこの報告書は非常にわかりやすいですね。ですからその点がまず良かったと思っております。そしてまたJR東海さんが報告書について、これに沿って環境保全に全力で取り組む意向を表明されました。これは当然のことではありますけれども、良かったことだと思っております。県も意見書を、その都度出してまいりましたが、第14回有識者会議において竹門委員など複数の委員さんから、引用ですが、「完成度が高く、論理的に論破できない優れた意見である」という御評価いただきました。このことは、県がかねてからお伝えしてまいりました、環境保全上の懸念が科学的にも客観性があるものであると認められたということでございまして、今後のJR東海さんとの対話再開の出発点となる素地ができたというふうに思っております。問題点が明らかになったということです。また、この有識者会議では、順応的管理による環境への影響を最小化すると、JR東海の進め方が適切であると示されました。この順応的管理というのは、工事着手前の影響の予測と異なる変化があった場合、その都度フィードバックして、もう一度当初予測を見直すというものでございます。現在のJR東海の計画では、沢の上流域に生息・生育している動植物については調査が行われていないため、その状況が把握されてないことがわかっております。トンネル掘削による流量の減少が予測される沢周辺の生態系について、どのような影響が生じる可能性があるか、事前に予測されてはおりません。こうした課題がありますため、順応的管理を適切に行うことが難しいことを意見書で申し上げてまいりました。こうした課題に対しまして、有識者会議では、残念ながら十分に議論されずに、解決されないまま報告書を取りまとめられたということであります。報告書の内容をしっかり確認したうえで、意見書で、私どもが示した課題など不十分な点について県専門部会でJR東海と対話を進めていきたいと思っております。もう1つの御質問、名古屋・大阪間のアセスメントの着手についてでございますけれども、これは私もリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の副会長として、これはわれわれが要望している事項でございまして、今回、実を結んで、喜ばしく思っております。全線開通というのが中央新幹線交通政策審議委員会で示された委員会の意見でございまして、したがって、この環境が整ったというところで、ありがたく思っておりますし、順次進めていってほしいと思っております。名古屋以西の環境影響評価の着手と、この報告書の取りまとめ時期が重なったことについては特にコメントはありません。以上であります。

 

(幹事社)

ありがとうございます。関連してなんですけれども、先ほど「非常にわかりやすい」、今まではなかなかわかりづらかったけれども、非常にわかりやすい報告書になってその点が良かったと評価するお話もありましたが、この報告書がまとめられたことで今後のスケジュールについて、どのように知事はお考えになられてますか。

 

(知事)

スケジュールは、この取り残されている課題について、専門部会とJR東海さんの間で詰めていくということでありますが、同時に、何をするべきかってこともほぼわかってるわけですね。お読みになった人は、私の方から気づいたところだけでも申し上げますと、これはもう全体で、本編だけで7つの項目にわかれていまして、全体、本編だけでも350ページを超えてるわけです。それにこの前段の部分と資料の部分を含めますと相当な分量です。しかしながら御案内のとおり、データとか表とかこうしたものが大半を占めておりまして、文章は繰り返しもありますけれども、確認をするような形で、その都度その都度、何が残されているか、何が問題であるかを、これを言っております。一番冒頭で書かれている、南アルプスの特徴とその課題ですけれども、典型的な氷河地形を残しているこの日本列島の南限であるということを明確に書いてまして、そこに位置するものは環境変化が起こりますと、影響が非常に大きいと。感度が高いから、その個体群の存続が危ぶまれていると。そして具体的に名前を挙げてるわけですね、タカネビランジ、センジョウアザミ、タカネマンテマ、ムカゴユキノシタ、ムカゴトラノオなど、それから南アルプスより南には高い山がありません。そうしたことで、ハイマツ、クロユリ、ウサギギク、チシマギキョウ、タイツリオウギなど南アルプスの分布を南限とする植物は多数存在しているということですね。それで、これが、一方でですね、明確に言ってらっしゃるのは、回避ができない場合、低減ができない、やむを得ない場合は、代償措置を実施するということを言っておられて、確実にそういうところが出てくるっていうことが前提にされているという内容になっております。その他ですね、やはりこのトンネルの掘削によって、地下水位が確実に低下するということを明確にしておりますね。特に、トンネルと沢が交差する、トンネルと断層が交差するところ、ここのところにおいては確実に流量が低下するということを言っております。主要な断層とトンネルが交差する沢では、流量減少の傾向が確認できたということをこう言ってるわけですが、それで具体的にはですね、じゃぬきざわ(正しくは、「じゃぬけさわ(蛇抜沢)」)、あくさわ(正しくは、「わるさわ(悪沢)」)、ジャガ沢、二軒小屋南西の沢、スリバチ沢、へび沢(正しくは、「じゃさわ(蛇沢)」)等々でありますが、ここにおいては流量が減少すると。しかも深部の地下水位の低下が地表面に現れるまで時間差を伴うということも、この時間差も併せて書いてるわけですね。この蛇抜沢の場合には、大体工事着手してから20か月から25か月して、まず第1回目の水位の低下が起こると。それからまた、35か月から40か月後、すなわち3年から3年半経って、またですね、水位がさらに低下すると。さらに80か月から90か月後、これはほとんど7年ぐらい経った後ですけれども、さらにそこで、水量が減少すると。これはあの、シミュレーションでですね、表にして、いや、グラフにしてですね、明確にしているわけです。半減するぐらいですね。これは同じことが、例えばこの悪沢の場合ですと、まず10か月から15か月で一旦水位が低下し、さらに60か月から70か月すなわち、5、6年してさらに流量がぐっと落ちると

。二軒小屋南西の沢、これは小さなものですけれども、ここでもやはり工事用道路トンネルを掘削すれば流量が減少すると。このスリバチ沢におきましては、これ千石斜坑の掘削の影響で、まずは10か月から15か月後に流量が減少すると。それから75か月から85か月、したがってこれは7、8年経ちますと今度はですね、6、7年経ちますと、これが流量がガタッと落ちると。それから蛇沢ですか、これは導水路トンネルの掘削した場合にですね、3年経ってから流量が落ちる。それからジャガ沢におきましては、これは地表、トンネルの掘削をすると地表の流出量が減少して、その減少に応じて沢の流量減少が生まれますよということを言っております。それから当然のことながらこれらの沢では、沢の水に依存するその種の、生息生物種の生息・生育状況に悪影響が出ると言っております。それから、この流量が減少する、湧水量が減少しますと、川の岸とか、くぼ地の湿地が乾燥しますので、水生生物や河岸周辺の陸生生物の生息、それからまた植生に悪影響を与えると。それからまたトンネル真上にある沢では、降水量が少ない時期におきましては、上流から下流にかけて地表水、地表水の流量が大幅に減少すると。この沢では特に注意が必要と、これはもう文字通り取水口のところですね、取水口の真下でトンネルを掘りますから、あそこではですね、流量が大幅に減少すると。取水をするための水、その流量が大幅に減少するということを述べております。それから先ほど県の意見書でも述べたことでありますが、これを報告書から引きますと、沢の水生生物への影響予測について、個々の種に対する定量的な影響予測、要するに存続可能性の分析でありますけど、これを実施するためには、いろんな生物種の年齢といいますか、どれくらいの生存の時間に応じた区分、あるいは産卵数とか、生存率とか、それらが個体数の変化と流量の変化と関連するデータがないと。したがってこれらのデータがないので、予測が困難だから調べなくちゃならんと、こういったことでございましてですね。ではその流量の低減が確実に起こると、どうするかというと、薬液を注入するということが、対策として代償措置(正しくは、「低減措置」)として書かれているわけでありますが、薬液の注入というのは、水ガラス系とセメント系の注入材を前もって入れてですね、その流出をなるべく防ぐと。しかしながら、残念ながらこれ水質が変化するので、これをちゃんと処理しなくちゃいかんということも述べております。こうしたことからですね、流量は全て、この沢とトンネルが、失礼しました、沢の下の断層と、それからトンネルとが交差するところにおいては、例外なく流量が減ると。そして薬液の注入によってある程度抑えられるけれども、しかし流量の減少する事態を抑えることができないと。これはこのデータとそれからグラフで示されています。かつ水質は悪くなるので、それの処置が必要であるということです。それから様々なモニタリングもしなくちゃいけないと。だけど冬は厳しいってこともあるので、衛星から写真を撮ってやるという方法もあるというようなことでですね、実に正直にですね、書かれているなというふうに思いまして、順応的管理でやっていくと言いますけれども、流量が確実に減るということ

についてですね、どう考えるかという、その判断はやはりこれ読んだ人たちそれぞれが持つべきであるというふうに思います。

 

(幹事社)

ただいまの幹事社質問、知事の回答について質問のある社はお願いします。

 

(知事)

ちなみにですね、付け加えますと、中村座長さんは、今回取りまとめに関しましてリーダーシップ取られたわけでありますけれども、この中村先生はですね北海道の先生で、北海道での実績がございます。立派な先生でありますが、実は交通政策審議会、中央新幹線小委員会におけるメンバーだったわけですね。つまり2010年から2011年にかけまして、20回の会議が開かれました。この会議の第3回目にJR東海が自らの事業計画を示したわけです。で残りの会議はそれを追認する形になって、そして翌年の2011年の5月に国交大臣が、この認可を認めたと。認可というのは事業者としてJR東海を指定したという、そういう経緯でありますが、この20回行われました中央新幹線小委員会の第9回目、これは2010年の10月20日のことですけれども、中村先生が発言をされております。この委員会で、これは個人的意見ですけれども、戦略アセスという形でまとめるのはやっぱり時間的にも無理ですと。この委員のメンバーもリニアに詳しい工学的な知見を持っている方や、経済的な知見に詳しい方はたくさんおられるけれども、私自身北海道ですし、いわゆるこの南アルプスの自然環境などをよく知った人が委員としておられないということを考えると、時間的な制約も含めて、アセスを実施することは無理なんではないかというのが私の意見です、ということです。それから実際上、アセス、なるものがされて、今ですね、その問題点が明確になったということじゃないでしょうか。問題点を明確にしたというのがですね、今回の生態系に関わる有識者会議の最大の成果じゃなかったかと思います。

 

(記者)

質問よろしいでしょうか。NHKと申しますよろしくお願いします。今の中村座長の関連なんですけれども、12月の7日に中村座長が国土交通省の斉藤大臣に報告書を出した後に記者に対してのブリーフィングがあったんですけれども、その際に議論の過程の評価をされてまして、県と有識者会議のキャッチボールの中で、有識者会議が論点整理をすると、県の専門部会にチェックされて、足りない部分の指摘ばかりで建設的な議論ができず心配だった、残念だった、と述べています。この中村部長の受け止めについて知事の受け止めと、県と有識者会議でこの建設的な議論ができなかった理由について知事はどのようにお考えか教えてください。

 

(知事)

中村先生、座長としてですね、あの自由な御発言をされているわけですけれども、これはですね、基本的に1つ、答えを簡単に言いますと、有識者会議の設置の目的、あるいは県の専門部会の立場を御理解されていないということでの発言というふうに思っております。有識者会議が設置された目的は、県とJR東海との対話の進展のためでありまして、この有識者会議では県専門部会においてJR東海との対応で積み上げられた知見や課題等をベースに、論点を整理し議論を進めていただいているわけです。こうした経緯を踏まえまして、県は有識者会議での議論を尊重する立場から、専門部会で課題等を取りまとめてお伝えすると。で、有識者会議での議論を深めていただくと。JR東海に課題に対応した助言・指導をしていただくと。そして今後の専門部会でJR東海と建設的な対話が進むようにすると。これが立て付けになっているわけでございます。ですから県から建設的な意見が欲しかったというのは無いものねだりでございまして、有識者会議の設置の目的、県専門部会と有識者会議との関係というものを御理解されていなかった発言であるというふうに受け止めております。

 

(記者)

分かりました。あと同じ座長の発言の中でですね、県が求めている沢の上流域の生物調査も含めてなんですが、これ県の要請に応じていたらエンドレスの議論になってしまうというような御懸念の発言がありました。今後の議論、専門部会で進んでいくと思うんですけれども、この調査については県として今後もJRに求めていくということになるんでしょうか。

 

(知事)

はい。今回のよくできた報告書ですね、何しろあのデータが入ってますし、文章はわかりやすいし、何が残ってるかということも明快でございますし、それを1つ1つ潰していくということはJR東海の義務だというふうに思っています。

 

(記者)

ありがとうございました。




一般質問(自民党パーティー券、リニア中央新幹線関連)

(幹事社)

関連の質問よろしいでしょうか。すいませんその他質問のある社はお願いします。

 

(記者)

すみません、静岡朝日テレビです。自民党安倍派のパーティー券を巡る問題についてお伺いしたいんですけれども、知事はどのようにお考えでしょうか。またそのうえでですね、岸田政権に求めることを、不信任案なども出てますけれども、求めることがあれば、もしあれば教えてください。

 

(知事)

現在精査されているということなのでですね、その精査の結果が出るまではコメントを差し控えます。

 

(記者)

はい、テレビ静岡と申します。ちょっとリニアに関連することで、昨日の県議会で自民党県議から、知事の以前の発言について、リニア問題の解決策について問われた知事は、部分開業とする答弁をしました。ただ知事はですね、去年11月のリニア実験線試乗後の囲みでですね、神奈川・山梨間の部分開業について、変電所ができていないのでそれができないということがわかったと、自ら述べています。この1年の間で、お考え変わったのか。なぜここにきてまた部分開業を議場の場で発言したのかその理由を教えてください。

 

(知事)

はい。 今、実験線は43kmできております。そして甲府駅と神奈川駅、なんて言ったか、橋本にできる、まで72kmなんですね。だから72から43ひきますと29kmです。そして甲府駅まではあと6km。したがって、残りの区間がですね、神奈川駅までだということで、今、実験線でやってらっしゃるように、ピストンでやったらどうですかと言いましたら、30kmごとに、大体ですけれども、変電所がいると、金子さんがおっしゃいました。変電所を作る意思はないと。予定もないとおっしゃったので、できないというふうに考えた訳です。しかしですね、社長が変わりました。同時にですね、その時、試乗させていただいた後、向こうの幹部もいらっしゃる中でのやりとりだったわけですけども、やりとりをしていたのは、会長さんだけです。私に対しては。しかしですね、変電所が1つできれば動かせるということはですね、皆さん御存知な訳ですよ。それをやるかやらないかは、会社の意思じゃないでしょうか。今度、社長が変わられました。丹羽さんになりましたので、変わる可能性があると思ってます。しかもですね、それは私が勝手に言ってるんではなくて、先ほど申しました、中央新幹線に関わる交通政策の小委員会におきまして、JR東海が2010年5月に自分たちの事業計画を発表している訳です。その事業計画がですね、通常受けとめられているのは、東京・名古屋まで、まず最初に作って、はっきり正確に言いますと、「民間企業として経営の自由、投資の自主性の確保の原則の貫徹が大原則であり、国に資金援助を求めない。開業時期は名古屋2027年。大阪は2045年。第1段階として、名古屋開業後、経営体力を回復して、速やかに大阪開業に取り組む」と。これを国交省で明言されてるわけですね。そしてですね、皆さんもおそらく、調査して御存知だと思いますけども、やり方が決まってるわけです。大きく。難しいところから先にやるという、すなわち名古屋駅・品川駅、南アルプスです。これを先にして、そして比較的取り組みやすい残りのところを進めると。これが葛西さん、またJR東海の当時の幹部が決めた方針で、それに従えばですね、先ほど私が申しましたようなことは眼中になくなるわけですね。しかし、そのときにですね、同時にこの報告書、JR東海が、この国交省の委員会に出した報告書にですね、こう書かれてます。「完成までに10年を超える期間を要し、早期実現のために早期着工が必要である」と。「最新技術維持のために、実験線の延伸・完成から間断なく着手することが重要」と。記者さん、実験線の延伸・完成というのをどういうふうに取ります。実験線の延伸完成というのはどうとりますか。

 

(記者)

ちょっとコメントは差し控えたいんですけど。

 

(知事)

そうですか。私はですね、実験線が完成するというのは、実験線が営業線になることであると思います。ですから、今、実験線は、要するに、出発のところから行ってまた元に戻ってくる形ですけれども、営業線というのは2つ駅がないとできません。だから実験線が延伸・完成すると、それから間断なく東京・名古屋間をやっていくというふうに書かれていると、明確に読めますので、私はそう思いました。ですから、この実験線の延伸・完成、すなわち一番近い駅である甲府駅と橋本駅をやるのがこれに合うのではないかと言いましたところ、「やらない」と言うふうに金子さんおっしゃったわけです。「やらない」んですよ、「やれない」んじゃなくて「やらない」んです。ですから、これは意思が変わればですね、つまり、できるところからやっていくというのも方法でしょう。それから、さらに言えばですね、2027年までに名古屋まで開通をさせて、それから体力をつけて、つまり利益を上げて、それから18年後のですね、2045年に大阪まで延伸すると、これが方針だったわけですが、今回、環境影響評価もやるということでですね、できるところからやっていこうというふうに変わっているようにも見えます。しかし、方針が変わったというふうには言われていないですね。私はこの技術をですね、残すためにも、しかもこれ72kmですから、電力消費も少なくて済みます。これがあの、400数十万キロの全線になるとですね、膨大な電力消費でエネルギー代が上がりますから、したがって運賃も上がるでしょう。こうしたことは置きまして、とりあえずその最低の距離であるこの2つの駅を結べばですね、これが実験線が営業線であると、したがってこれは十分に方針さえ変えれば可能なものとして、しかも静岡県はですね、隣県の山梨県が誘致された事情についてもよく存じ上げてます。やはり東京に早く出られるようにするというのが目的ですから、この橋本駅まで行けば、相模線、横浜線、京王線が橋本駅まで来ておりますので、首都圏に、横浜あるいは新宿に行けるということで、そういうことの説明を、その時したわけです。しかし、それをやる気がないというのが金子さんの当時の御見解だったということです。

 

(記者)

すいません。今、社長が変わったら、もしかしたら方針が変わるかもみたいなお話もありましたけれども、丹羽社長は先月、弊社のインタビューに対し、部分開業は現実的ではないとはっきりと申し上げました。そうした中でも、知事はこれからも、この部分開業をというのを、例えば期成同盟会の中でしたり、外に向けて持論として強く発信していくおつもりであるって感じでしょうか。

 

(知事)

部分開業というのはですね、名古屋までまず開業するってのは部分開業ではありませんか。

 

(記者)

知事も自論でいう山梨・神奈川間の部分開業というのは力強くおっしゃってましたけれども、そのことを指しているように思うんですけれども、それは東京・名古屋ってう意味合いもある。どちらでしょうか。

 

(知事)

通常ですね、高速道路を供用開始するときに、全線開通してA地点からB地点まで出来てから供用するということではありませんで、できたところから供用していくというふうに言っております。ですから名古屋までは、まず第一段階として、部分開業であると私は受けとめております。それから部分開業はですね、品川と甲府を結ぶこと。これもですね、部分開業ですね。それから飯田・中津川と名古屋を結ぶと、これも部分開業です。できるところからやるという方針を、JR東海はとってらっしゃいません。名古屋まで全部やると。しかしながらですね、もう1つ付け加えておきますと、この中央新幹線の小委員会におきましては、このリニア中央新幹線というのは、東京から大阪まで全線開通して初めて、その意義ができるということを明言してるわけです。しかし、先ほど申しましたとおり、JR東海さんはですね、経営の自由、投資の自主性、これを貫徹するのが大原則であると。国家が一切口出しお金もいらないと言ってですね、2段階論、すなわち部分開業論で進められているというふうに私は受けとめています。

 

(記者)

わかりました。すいません、ちょっと恐縮ですが、もう1問だけ、同じくリニアの整備について、昨日の答弁の中で、一旦止まって改めて考え直す必要があるということを、丹羽社長と話すことができればと発言されました。この発言は、リニアの建設促進を目指すべき期成同盟会には静岡県も加盟しておりますけれども、その趣旨に反するのではないかという見方もあります。この発言の真意を教えてください。

 

(知事)

はい。ともかく中村先生御自身が言われてるようにですね、このアセスってのはこの短い期間ではできないというように言われていたわけです。今回、アセスといいますか、この調査は、生態系において問題点を出し、JR東海からの資料提供に基づいて、何ができて何ができてないかということが明らかになってですね、流量が減る、生態系にも影響が大きく出るということが明確になったわけですね。そして、被害といいますか、それを最低限にするという、被害が出るってことを前提にしてですね、やるかやらないかっていうのをお決めにならなくちゃいけないと。それをどうするかというのはですね、考える余地があるという、そういう報告書であるというふうに私は見ております。何もそれはルート変更するとかってことではありませんで、このルート上にある問題点が今回の生態系に関わる報告書で、実に明快になったと思います。

 

(記者)

ちょっと質問と回答がかみ合ってないので、もう1回だけお聞きしますけれども、その昨日の中で、一旦止まって、改めてこのリニアの整備について考え直す必要があると言ったのは、建設促進、早期の実現を目指す期成同盟会の考え方と反しているんじゃないでしょうかという質問なんですけれども。

 

(知事)

急がば回れという言葉がありますから、ですから大きな予測不可能なことに面する前にですね、この生態系に関わる、これは全ての期成同盟会のメンバーの方たちも存存知られていることだというふうに拝察しますけれども、これは全員が読んでいただいて、どういうふうに対処したらいいかをぜひご意見いただきたいというふうに思っております。

 

(記者)

わかりました。




一般質問(リニア中央新幹線関連)

(記者)

中日新聞です。今の質問に関連してなんですが、ちょっと議論を整理するとですね、そもそも10月10日の会見での質問は、テレビ静岡さんだったと思うんですが、知事選の当選後に4期のうちにリニアに対して道筋をつけたいという発言をしていたけども、もう任期は2年を切っていて、その道筋というのは立てられるのかという質問に対して、知事は「私がJR東海の意思決定権者であれば、現在の川勝と膝を突き合わせて話して、その場で解決策を出せる自信もある」と答えられました。おっしゃってる内容の解決策が部分開業というのはちょっと理解ができないんですが、御説明いただますか。

 

(知事)

はい。元々のJR東海の大方針があります。葛西さん以下、山田社長、柘植社長、金子社長に受け継がれてきた方針、これがですね、今、行き詰まっているので、したがってなかなか建設が進まないと。今回、2027年までの開業をしたうえで、それから18年かけて、大阪までやっていくというのも事情が変わりました。そして、もう環境影響評価に入ると。だからここでですね、自分たちのしていることと、JR東海さんが2010年5月に皆さんの前で公開的にどういう事業計画を持ってることかってことと違うってこと。今やってることと違うということでございますので、現状に合わせた形で、事業計画をどういうふうにしていくのか、これを言われる必要があると。そうした中で一番わかりやすいのは、できるところからやっていくことだと。そういう方針をとられていないんですね、できるところからやっていくというのが。私は新社長にですね、前の社長さんはそういうお考えを全く受け付けられませんでしたので、新社長さんにはそういう考えを持っていかれれば、事業も進捗するし、わずか20数km、実際上おそらくもう10km切ってると思いますけれども、そこでですね、変電所1つ作れば営業も可能であると、こういうことはですね、やり方を変えるってことですので、大きいと思いますね。

 

(記者)

10月10日の会見の質問というのは、聞いているみんながですね、静岡工区に関することを想定して聞かれていたと思うんですが、静岡工区の課題の解決策が部分開業というのは繋がらないっていう、おっしゃっている。

 

(知事)

静岡工区の解決は、JR東海さんとそれから国と私どもとの関係でですね、この環境影響に関わるこれをじっくりやっていくというのが今の申し合わせで、そういう形で有識者会議が継続し、また専門部会もやってるわけで、それ自体について、それ以外のことをやるってことを考えておりません。

 

(記者)

そのときに「解決策を出せる、自信がある」と言ったのは、リニアの計画について知事の考えを述べられたということでしょうか。

 

(知事)

リニア中央新幹線のですね、建設促進期成同盟会というのは、全体に関わることであって、自国、自分の県のことだけではありません。調査研究・広報啓発というのが、全体に決められている大きな柱の2つの1つですね。ですからそれをやってるわけです。そうしたうえで議論するということはですね、何も山梨県は山梨県のことだけとかですね、そういうことはないと思います。この間、中津川の市長さんが、わざわざ現在の進捗状況を報告するために来られました。青山市長さんが。それに対して私の意見を言って、これはいい意見だということで持ち帰られました。そうしたことはですね、期成同盟会の、私が副会長であるからこそ、わざわざこられたんだと思いますけれども。ですからこれは、私は日本のためのリニア中央新幹線の活用方法について考えているのであって、そのうちの南アルプストンネル工事につきましては、これ有識者会議、国が関与されて、JR東海もコミットし、私ども専門部会とコミットし、こういう立て付けになってますから、何か南アルプストンネル工事についてだけ言ってるわけでは、言うべき筋のものではないと思っております。

 

(記者)

一方で昨日の議会の答弁で、「私は意思決定権者じゃないので言っても失礼に当たる、無駄になる」というような発言もあったかと思うんですが。

 

(知事)

そうでしょう。意思決定者じゃないのでですね、こうしろああしろなんてことは言えませんね。だけどどうしても言えとおっしゃるから。ですから昨日のように答えたわけです。

 

(記者)

そこが矛盾というか、食い違いがあって、静岡工区についての解決策だとおそらくあらゆる人が思っていたと思うんですけど、知事はそうではなかったということですよね。

 

(知事)

静岡工区の解決策については、今、有識者会議・JR東海・県やっているじゃありませんか。これが解決策であります。それは当然のことでしょう、それ以外の方法がありますか。

 

(記者)

いえいえ、当然のことでしょうと言われましても質問に対する答えが、「その場で解決策を出せる、自信がある」と答えられていたので、皆さん気になってそれを聞いているという状況です。

 

(知事)

皆さん静岡にだけ関心があるというからかもしれませんね。私は東京から大阪までのリニア中央新幹線全体に関心がありますから、それは副会長として私の仕事の1つだと思っております。

 

(記者)

わかりました。じゃあ別のことをお伺いしますが、12月5日に環境省に行かれた際にですね、別添の資料を出されておりまして、そこに部分開業とも思われる資料も入ってます。で、「山梨県駅、神奈川県駅の距離であれば、車両基地なしで運行可能である」と資料には明記されてあるんですが、しかもこれ静岡県として出されている資料なんですが、「運行可能だ」というのはJRに既に確認した、技術的に確認しているということですか。

 

(知事)

これはもう皆様方に半年以上前から配ってるものであります。ですからもう当然、JR東海さんも御存知だと思います。JR東海の資料に基づいて書いてるわけですから。

 

(記者)

JR東海は技術的というか、法令的にこれはできないんじゃないかとも言ってまして。

 

(知事)

それは聞きました。変電所がないからということで。

 

(記者)

変電所というかですね、車両基地で検査をするんですが、それが法令によって決まっているということで、これはなかなか現実味がないという話もしてますが。それを御存知のうえでこれを書かれているのか。

 

(知事)

車両基地については現場を見ましたのでね。その後11年かかると、用地を全部取得してからですね、取得できてないということが、去年のリニア中央新幹線特別委員会という自民党の委員会で、神奈川県の副知事さんが答えられていました。ですから取得の見込みは90%ぐらいだけど、現在は半分ぐらいだとおっしゃってました。取得してから11年かかるというのがJR東海の何て言いますか、資料でございますので、厳しいなと思ってましたが、金子社長が、社長の時代にですね、2027年までには車両基地ができるというふうにおっしゃってましたので、どういう工程表でなさるのか非常に関心があります。

 

(記者)

わかりました。あと先ほどおっしゃってたんですが、リニアの実験線の完成、延伸・完成が、営業線になることだと知事おっしゃってたと思うんですけど、実験線の完成というのは、もう既に完成してるんですけど。JRの見解では。

 

(知事)

驚きましたね。実験線の完成は、実験線が実験線でなくなることであるというふうに私はとりました。だからそのように申し上げたのです。そして、それはできるけれども、変電所がないからできないというのが、幹部を前にしての金子社長の僕に対する、都留実験線駅における幹部の皆様方との対話の中で出てきたことです。

 

(記者)

実験線の完成というのが営業線になるというのは、知事のお考えということですね。

 

(知事)

それはJR東海がその資料にそう書いてるわけですね。実験線の延伸・完成から間断なく東京・名古屋間の仕事をしていくんだというふうに書かれているので、実験線の延伸・完成とは、当然これはですね、営業線としてその営業実績を積んでいくってことだというふうに、十分取れると思います。私はそう取りました。

 

(記者)

わかりました。当然とおっしゃいましたが、そうは取れないこともあると思うので、はい。

 

(知事)

私に言われてもわかりませんよね。国交省に出されてる資料に基づいて言ってるわけですから。

 

(記者)

わかりました。

 

(記者)

はい、静岡新聞です。リニアに関して1点お伺いします。県はJRの環境保全措置の合意には地元の理解が必要との立場を以前から示していますけども、大井川上流の南アルプスにおける環境保全に関する合意といった場合は、地元というのは何を指して、何をもって理解したと判断するんでしょうか。

 

(知事)

利水協議会の皆様方というのが、基本的に地元ということじゃないかと思います。彼らはその大井川を供給源とする水に依存して生活されていますから。

 

(記者)

大井川の中下流域といった場合に、大井川利水関係協議会で地元ということは理解できるんですけれども、上流部の南アルプスといった場合にも同じく大井川利水関係協議会が地元ということになるんでしょうか。

 

(知事)

大井川協議会は大井川の水に関わるこの取水のですね、ことについて、ずっとこれまで議論されてきた方ですから、その方達が一番大切じゃないかと思ってます。しかしその中には、中部電力や県も入っておりますのでね。ですから流域の皆様方と、それの河川の管理に関わるわれわれ、また中部電力また東電もですね一時期入っていたんじゃないかと思いますが、そうしたところが理解をし、納得をするということが重要だと思います。理解することはできるわけですね。

 

(知事戦略局長)

補足があるようです。

 

(くらし環境部参事)

今の御質問あれですね、生態系といいますか、自然環境に関わる利害関係者っていうのはどういう判断するのかということかと思います。そこにつきましては基本的な法令的な部分としては所有者とか、それに関与することが直接的な利害関係者になるかと思うんですけれども、やはり、環境影響評価の手続きなんかを進める中ではですね、まずそれに関わる方々の合意形成を図るっていうことは、やはり手続きとして、手続きっていいますか、やり方としてですね皆さんが御理解いただけるようにやっていくってのは大切かというように考えてございます。

 

(記者)

ありがとうございます。

 

(知事)

ごめんなさい、彼が言ってくれたことが正しいです。

 

(記者)

共同通信と申します。すいません。先日、静岡市のリニアの協議会で、燕沢の残土置き場の環境影響評価について協議されました。難波市長が深層崩壊で盛土、JRの盛土と関係なく、危険な土砂ダムが形成される可能性があるということを指摘されて、河川管理者である県はJRに対応を求める前に主体的に対応しなければならないということもおっしゃってました。8月にこのことを知事にお伺いしたときは、対応は事業者がやるべきだということをおっしゃってましたが、この難波市長の意見に対して知事の受けとめを教えていただけますでしょうか。

 

(知事)

そうですね。もし深層崩壊、山体崩壊が起こりますと9000万立米という、巨大な量ですね、それの大きさ、熱海の土石流が5.5万立米ですから、9000万というのはどれぐらいの巨大なものかということはおわかりいただけると思います。これがこの2000年の間に4回起こったというのが、明星大学の長谷川先生の地質調査の結果ですね。ですから、それによってそこの段丘が作られているということです。しかしながら、事業者はですね、100年に1回起こる、そういうものに対応した形で、その仕事すればいいという立て付けになっておりますから、それを踏まえて難波市長が発言されたんではないかと思っております。

 

(記者)

そうすると知事は、今もやっぱり業者の方が主体的に対応すべきだと思うのか。

 

(知事)

山体崩壊するとですね、もうこれはもう県も、それから中部電力、その他の関係者、国も含めてでしょうけれども、全体でそれに対応しなくちゃいけないというのは当然であると思います。シミュレーションについてはですね、これできる力がある人が必要でありますが、JR東海にはそれをシミュレーションする力のある人はいますわね。つまり燕沢に360万立米を盛った場合に、仮に、これこれの部分的な崩壊が起こった場合、大丈夫かどうかということについてはシミュレーションをしてるわけです。たしか85万立米か何かという数字ではなかったかと思いますけど。それをですね、850万立米、あるいは8500万立米9000万立米だったらどうなりますかっていう計算は、難波市長さんもできるかもしれませんけれども、JR東海さんから示していただくと、一番、専門家が当然いらっしゃるので、手っ取り早いかもしれませんね。今うちの専門部会にですね、シミュレーションができる方がいるかどうか、覚束ありません。ただ、地質について、どういうものかってことの専門家がいらっしゃると。長谷川先生もそちらの方でシミュレーションの方ではないかと思っております。質問の趣旨をもう一度言ってください。

 

(記者)

8月に私が知事にお伺いしたときは、一応、深層崩壊が起こった場合、盛土と関係なく、何か大きな災害が起こった場合でも、県ではなくて事業者が主体的に対応すべきだということをおっしゃっていて、対応はどちらになるのか。

 

(知事)

JR東海が対応できる筋のもんじゃないですね。9000万立米のものを対応して、それが起きた場合にどうするかということを考えていくというのがですね、JR東海さんはやっておかなきゃいけないと思うんですけど。つまり起きたとき、いわゆるリスク管理の1つとして、そこの段丘で出来上がっている、その燕沢の地質がですね、どういうものかってことをわかってる方がいらっしゃるわけです。つまりそれは燕沢、ごめんなさい、千枚岳の崩壊によってできた段丘ですね。したがって、そのことを知ってる方がいらっしゃいますので、そうであればですね、また起こるかもしらんと。これは単に1000年に1回だけのシミュレーションするだけです、対応しろといったこと言ってるんじゃない。それを、リスク管理の一つとしてやっておくということは、余計な仕事かもしれないけれども、我々にとっては長谷川先生が意見出されているわけですから、それに誠実に対応するというのも仕事ではないかと思います。山体崩壊したときにどうするかっていうのはですね、事業者だけじゃなくて全体で助けなきゃいけないというふうに思ってます。起こった後はですね、起こった後の対応と、起こる前にどういうその、何て言いますか、ことが起こるかっていうことのシミュレーションとはまた別ですから。




一般質問(送迎用バスの安全装置、議会とのコミュニケーション)

(記者)

静岡新聞と申します。話が戻ってしまって恐縮なんですけども、発表事項の送迎バスの、安全装置の設置状況なんですけども、牧之原の置き去りの事件がきっかけに義務化されたということなんですが、改めて知事に、10月末時点の設置率が70%、3月末にようやくというか、設置率が100%になる見込みだということなんですが、そのあたり70%っていうところが高いのか、低いのかというところと、あと今後設置率100%に向けた何か意気込みというか、お願いします。

 

(知事)

鈴木さんがお答えしたと思いますけどね、認定こども園とか保育園とかこれ100%できてるわけですね。ただ身体障害者がいらっしゃるところだとかちょっと正確に言ってってくれますか。もう一度、はい。70%はできてないところというか、平均すると70%……

 

(記者)

知事のお言葉で、ちょっと今後に向けて、取り組みをどういうふうに進めたいかっていうのを。

 

(知事)

今、鈴木さんが言ったように、3月末までにはですねほぼ100%に持っていくということで、今、鋭意努力をしてます。

 

(記者)

現状70%というのはどういうふうに評価してますか。

 

(知事)

100%が良いに決まってますけど、できない事情が、担当者がですね、説明できると思います。今できてない事情がですね。

 

(こども未来課長)

改めまして、こども未来課の鈴木です。先ほどもちょっと説明させていただいたんですけれども、教育・保育施設に関しましては、認可の施設に関してはほぼ100%に近い状況。ただ、認可外保育施設の、特に外国人が多い施設に関しましては、なかなか、制度の理解、それから補助金申請の手続きについて、難しいとか、あとどのような装置をつけたらいいかわからない、そのような形で、なかなか理解が進んでいないところがありますので、こちらの方でポルトガル語の資料を作成させていただいたり、各市町のポルトガル語の通訳さんを同行しまして、丁寧に説明をさせていただいたり、または、自動車のディーラーさんに工事の予約をしなくちゃなりませんので、そちらについても丁寧に一緒にやらせていただいたりなどしながら、理解を深めていただくように努力をさせていただいております。一方で、障害児通所施設に関しましては、特に、放課後デイサービスに関しまして、非常に台数が多いというところで、今、実際には小さな車で2人乗り、3人乗りという形で、少ない子供の人数を乗せていますので、それにつきましては少し遅れておりますけれども、今、現在、補助金の申請が年度末までに上がってきておりますので、それを見越して、年度内には100%達成を見込んでいるというような状況で、着実に100%達成に向けて進めているところでございます。以上です。

 

(知事)

ありがとうございました。

 

(記者)

度々すみません、中日新聞です。ちょっと議会のことでお伺いします。三島に、東アジア文化都市のレガシー拠点を設置するという旨の発言訂正についてですね、総務委員会からの申し入れは知事、拒まれた一方で、議会の議決には白紙撤回と謝罪ということになりました。その変わった理由は何でしょうか。対応が変わった理由。

 

(知事)

これはもう議会で全部申し上げたとおりであります。現在、まだ議会が20日過ぎまで行われておりますので、それに付け加えることは何もありません。

 

(記者)

わかりました。

 

(記者)

中日新聞と申します。昨日の議会では、議員の質問に明確に答えてないとして再答弁があったと思うんですけども、知事はこれまで、議会とのコミュニケーションを図っていくと、囲み取材とかでもおっしゃっていましたが、議場でも十分にコミュニケーションをとっていないので再答弁になったと思われると思うんですけども、一部の議員からは議会軽視という意見も出ている中で、これからどういうふうにコミュニケーションをとっていくのかお伺いしたいです。お願いします。

 

(知事)

誠意、誠心誠意ですね、60人以上いらっしゃるのですね。議会という存在ではなくて、議員さんがいらっしゃるので。議員さんお1人お1人と機会があることにコミュニケーションをとっていくというのが一番近道だと思っています。そういうふうにしてきました。これまでも。

 

(記者)

議会で、議長に、具体的な答えがないというふうに注意される機会が2回あったと思うんですけども、それについてどうしていくかというお考えはありますでしょうか。

 

(知事)

具体的っていうのは解決策についてであったと思いますけども、それは答えまして、先ほど申しましたように、やれるところからやっていく、できるところからやっていくというのが私の考えであるというふうに申し上げまして、その具体的な例として、JR東海さんが国交省に出された資料に基づきまして、実験線の延伸完成、これが第1段階。東京・名古屋、第2段階。名古屋・大阪、第3段階というふうに書かれていると。したがって、まず第1段階からやるということをすれば、これは東京・名古屋が全部できなければできないという、そういうものではないでしょうという、そういう考えを持っておりますので、それを申しましたところ、それで一応、議会は、あとは常任委員会の方に持ち込むということになったと理解しております。はい。

 

(記者)

すいません、NHKです。今の、中日さんの質問の関連なんですけれども、答弁を確認して欲しいということだったと思うんですが、あの答弁で、知事は、今回の発言については御自身のビジョンであり何も決まってないけれども、一旦立ち止まって白紙にするっていうことで謝罪されたんですけれども、そもそも何で何も決まっていないのに、何を白紙にするのか、ちょっとその辺りがちょっと私、理解がその日できなかったんですが、そこちょっともう一度教えてもらえますか。

 

(知事)

はい。官僚組織はですね、官僚組織としてしっかり行政をしてるわけですね。私は有権者から選ばれたものですから、何をしたいか、どういうビジョン、夢、政策志向を持ってるかということはですね、これは私の仕事であるというふうに思っておりますから、これを語る、ビジョンを語る、夢を語る、政策目標を語るというのは、これは政策に実際になるかどうかということとは別です。決まってないことも言うということですね。どういうふうにしたいのかということはですね、15年間ずっと言い続けてきました。

 

(記者)

そういう意味では、詰めの段階という言い方については、総務委員会も、議会の決議も含めて訂正してもいいのではないかと思うんですが、訂正しないのはどうしてなんでしょうか。

 

(知事)

詰めの段階については、総務委員会の皆様方がですね、三島区の検察庁のところに選択肢が絞られたということを明らかにしていただいたことを大変ありがたく思っています。

 

(記者)

そこで詰めの段階ではなかったっていうことが、総務委員会でわかったと思うんですけれども、それを訂正しないっていうのがちょっと理解ができないんですが。

 

(知事)

そこに絞られたってことが、詰めの段階であるってことが総務委員会でほぼ明らかになったというふうに私は受けとめております。ですから2つ論点があって1つは、詰め。もう1つは、いわゆる拠点の話ですね。拠点については、先ほど答えました通り、それは私の仕事であると。そして、なぜ検察庁なのかということは、財務省の方も呼ばれてですね、ほぼ共通理解になったのではないかと思っております。




一般質問(知事の政治姿勢)

(記者)

すいません、テレビ静岡です。知事はコシヒカリ発言以降、人様に迷惑かければ、今度人様に迷惑かければ、辞職すると何回も繰り返し明言されておりましたけれども、今回の12月議会でも、いわゆるレガシー発言について議場でですね、お詫びをしました。またこれ、この問題を巡っては、いろんなところで県議会を含め、混乱をきたしてですね、いろんなところで迷惑をかけたような、ようにも思えるんですけれども、今回の12月の議会のこの一連の混乱が、今も続いておりますが、人様に迷惑かければ辞職するといった知事は、迷惑をかけていることにはならないでしょうか。

 

(知事)

議会というのは行政をチェックする、なかんずくトップをチェックするというお仕事ですから、その仕事を果たされていると受け止めております。

 

(記者)

知事は御自身で、今回の件は人様に迷惑かけていないと思っていますでしょうか。

 

(知事)

議会が議会の仕事をされてるんだというふうに受けとめております。

 

(記者)

商工会議所の懇談の際に発言をしたわけですけれども、商工会議所のメンバーだったりとか、またこの発言によって、本来もっと審議しなきゃいけない内容がちょっと遅れてしまったこと、それによって県民はかなり被害を被る立場だと思うんですけれども、そういったところで、知事御自身として、迷惑って言い方があれかもしれないですけど、迷惑をかけたと思っていないということでしょうか。

 

(知事)

はい。岸田さん、商工会議所の会頭ですね、その後お目にかかる機会がありまして、むしろ喜んでおられました。

 

(記者)

喜んでおられたっていうのは、もう少し具体的に。

 

(知事)

はい、あのなんとも思ってないと。観光について振興させてくれと。振興してくれと言われて、それで東アジア文化都市が大成功してますからね、それを観光に、将来の観光に繋げたいという脈絡でお受け取りになったんだと思っております。

 

(記者)

岸田さんは喜んでいたから、自分は迷惑かけていないというふうに判断したということですか。

 

(知事)

本当に迷惑がかかってたら言ってこられるんじゃないですか。

 

(記者)

岸田さん以外の方にも、迷惑を、今回かけていないということ。

 

(知事)

よく知りませんけど、その後懇親会があったわけですね。全員が来られて。そうしたことが、真意を質すとかですね、あるいはそういう話は全くありませんで、実に和気あいあいとした懇親ができたということでございました。

 

(記者)

わかりました。最後にすいません。知事が思う、その人様に迷惑をかけるという定義を教えてください。

 

(知事)

人様が不愉快な思いをするとかですね、ともあれ公益に、私は、資することをやってきたいと思いますけれども、間違ったことはしてはならないと思いますし、間違ったことしてる人があれば、それは言わなくちゃいけないと。そういう時は、厳しく言われた人は迷惑をこうむったと思われるかもしれませんけども、私は正しいと思って、良心に従って、正しいと思ってることをするということはですね、私の姿勢でありますから、迷惑をかけないというふうな、そういうマイナスの形ではなくて、人様のためになるように、ためになるという、そういう姿勢で臨んでると。結果的にですね、迷惑がかかったとしたらですね、それどうしてかっていうことをちゃんと調べて、困っておられることが生じたならば、それを直していくという、それが仕事ではないかと思っておりますが。

 

(記者)

今のところ、では、その人様に迷惑をかけたら辞職する発言以降、そういったことは、今のところ辞職されてないってことは、起きていないという認識ということでよろしいでしょうか。

 

(知事)

そうです。心掛けておりますから。

 

(記者)

わかりました。

 

(知事)

はい。




一般質問(議会とのコミュニケーション、リニア中央新幹線関連、東海道新幹線の増便)

(記者)

すいません、日本経済新聞と申します。先ほどの議会とのコミュニケーションの質問のところで、誠心誠意、60人以上議員がいるので、お1人お1人とコミュニケーションをとっていくのが重要だという見解を示しました。今年の夏の給与の未返上問題が再燃した際の囲み取材でも、議員とコミュニケーションを深めていきたいというような発言をされていらっしゃいました。あれから半年くらい経ちましたが、この半年間で、議員1人1人とのコミュニケーション、対面のコミュニケーションというのはどのくらい取られてきたんでしょうか。

 

(知事)

これは、正確に言うのは難しいところがありますが、インフォーマルな形が多いですけれども、機会があるごとにですね、話をして、コミュニケーションをとるように努めております。

 

(記者)

それは1人1人と対面で。

 

(知事)

いいえ、そういうことではありません。これは機会があるごとにということで、特別アポイントメントを取ってどうこうするというようなことはしておりません。

 

(記者)

そうすると、対面ではコミュニケーションとられてなかったっていうこと。

 

(知事)

しておりますが、しかし、アポイントメントを取ってするというような形で公式の、そういうコミュニケーションのとり方はしていないということです。

 

(記者)

それはあれですか、知事がその、ふらっと会いに行くみたいな感じでやられたと。

 

(知事)

県議会の先生方にもですね、いろんな場面でお目にかかります。この間、東アジア文化都市やってますから、関心があってお越しになる先生方が多いですよ。ですからもう、自然に、雑談や等々ができますのでね。ですからそのときにいろいろなお話を承る機会が多いです。

 

(記者)

それ何人くらいと会ったんですか。

 

(知事)

勘定してません。

 

(記者)

そうすると、アポイントメントを取って、議員の考えを聞いたりとかそういったことは特にはされてなかった。

 

(知事)

1回やろうとしたんですけど、断られましたのでね。

 

(記者)

断られたというと、何故なんですか。

 

(知事)

知りません。ですから、それぞれ御事情があるんじゃないですか。ですから、公式に会うってことになると、なかなか他のメンバーとの関係もあるんじゃないかと忖度してますけど、ですから無理をしないで、人と人との関係ですからね。ですから信頼関係を築くのに自然体でやっていくという、それを、しかし私としては、ぜひできる限りそうしていこうという意志を持っているということです。

 

(記者)

わかりました。すみません、ちょっと質問が変わるんですけれども、先ほどの、リニアの神奈川・甲府間の部分開業に関して、静岡工区の推進に関しては、県専門部会やJR東海との対話が必要だというお話があったんですが、リニア全体の推進に関しては、部分開業が1つの手になるというようなお話がありまして、一方で法令的に必要な設備が備えられないですとか、そもそもリニア事業自体、固定費が非常に高いので、この区間を開業したとしてもほぼ確実に赤字になるような気がするんですが。で、社長も今、部分開業を否定しているという状況下で、この部分開業自体の実現性が限りなく低いような気はするんですが、そうなった際に、他にリニアを解決、あるいは推進する一手は、期成同盟会にも加盟していらっしゃるので、何かあるのか、お考えを伺ってもよろしいでしょうか。

 

(知事)

それぞれ期成同盟会でお目にかかる知事さん、それから関係者も、いろいろなお考えもお持ちですからね。ですから、それをまとめるのが総会等でありますけれども、その総会で、私どもが入会をした後にですね、議決の第1に、南アルプスの自然環境、水資源、これを保全して、リニアの早期開業を図るという、これが決議事項の第1に、この間、総会ごとに挙げられてるわけですね。ですから、それが共通理解になっているというのはとてもありがたいと。そしてどういう問題があるかということが今回の生態系絡みの有識者会議で明らかになって、おそらくあれを読めばですね、南アルプスにこういう悪影響ができるのかと、出るのかと。これに対する保全措置はどうするんだろうという疑問は誰もが持ちますね。JR東海さんは誠心誠意、最小化をしていくと。影響が出ることは前提にして、悪影響を最低にしていくというふうに言われたわけですよ。そういうふうに、JR東海さんの姿勢ですけど、いろんな御意見が出るんじゃないでしょうか。ぜひですね、読みやすいものですから、図表があると、これは困ったというふうに思う人もいるかも知れませんけど、本文は非常にわかりやすいです。誰にも読んでいただきたいと思いますね。特に南アルプスを愛する人はですね、ぜひ読んでいただきたいと。しかもユネスコのエコパークですしね、国立公園でもありますから。エコパークはあと2年後に再審査を迎えますのでね、今どういう状態になってるのかってことはですね、もう関係者全ての人がこれを知った方がいいというふうに強く思っております。

 

(記者)

すいません。ちょっと質問と回答が食い違っているので、部分開業の実現可能性が限りなく低い中で、他にそのリニアを推進する考えというか、一手があれば伺いたかったんですが。

 

(知事)

できるところからやっていくっていうんで、できるところがどこかというところがありますね。私も考えてるとこはありますけれども、しかし、関係者がいらっしゃいますから、ですから言ってみれば、勝手にほざいてるというふうにも聞こえかねませんのでね。ですから、ここは、例えば飯田駅とか中津川駅とか、ここについてですね、考えるところがあります。橋本駅についても考えるところがあります。ですから、あるいは、まだ決まっていない、亀山には決まりましたけれども、奈良は決まってないでしょ。新大阪は手付かずの状態ですね。ですから環境影響評価に入ったといっても、3県、2県1府はですね、まだ足並み揃ってないわけですね。ですから、こうしたところについても関心はありますので、話があればですね、やっていくと。例えば前の奈良県知事さん、荒井さんとはですね、かなり突っ込んだ意見交換をしておりました。

 

(記者)

ありがとうございます。すいません、最後、先ほど他の方からも質問があったんですが、環境大臣に手渡した南アルプスの保全に関する要望書に関して、2点質問させてください。1点目が、これは2か月くらい前の定例でもお伺いしたような気がするんですが、まだJR東海が工事を行っていないという中で、この要望書を手渡しまして、静岡県側に県として南アルプスの環境保全、責務としていることが何かあるのかというふうに伺った際に、当初予算が数千万円くらい立てて、小学生、学生向けですかね、の自然保護教室などを開いているというようなお話を伺いました。仮に影響をゼロにするために環境保全をする場合であれば、かなり膨大な、なんていうんですかね、予算を立てたりですとか、県としても抜本的な南アルプスの環境保全への政策が必要になる気がするんですが、その点はいかがなんでしょうか。

 

(知事)

これはやはり国立公園であること、また、ユネスコのエコパークであることに鑑みますとですね、するべき職権といいますか、権限を持ってるところ、環境省、で現在は国交省もそうですし、ユネスコパークに関わるのは文部科学省もそうでしょう。ですから、ここを省庁横断的に、議論賜ってですね、ユネスコのエコパークに、今回こういう環境影響に関わる報告書が出てるのでですね、こうしたところを共有賜らんといかんと。特に私は、本当にあの、南アルプスの環境大臣意見ですね、平成26年、2014年6月、ユネスコエコパークとしての利用が見込まれることから、当該地域の自然環境を保全することは、我が国の環境行政の使命であると。それから、環境保全について十全の取組を行うことが、本事業の前提である。さらにもう1つ大切なことを言われてます。山岳トンネル区間には多数の断層が確認されており、断層や破砕帯等の透水性が高い部分から、大量の湧水が生ずる可能性がある。これは今回の報告書でもわかったことです。地下水位の低下、並びに河川流量の減少、及びこれに生ずる河川の生態系や水生生物への影響は重大なものとなる恐れがあり、事後的な対応措置は困難であると。これ環境大臣意見ですよ。事後的な対応措置しかできないような、今の、いわゆる順応的管理の考えが示されてるわけですね。これぐらいしっかりとですね、環境大臣意見で言われてるのは、傾聴に値すると思っておりまして、もうぜひこの環境大臣としては、今回の報告書に本当は意見を言っていただきたかったけども、もう実際上、とりまとめの数日前だったというのは、誠に残念なことでした。私がちょっとアクションが遅れたと。こちらではですね、環境大臣にコメントしてくださいってことは何度か言った覚えがありますけれども、アクションを起こしたのがもうギリギリだったというのは、残念なことでした。取りまとめが、急に急がれてるってことがわかったからそうなったわけです。

 

(記者)

ありがとうございます。こちらの大臣意見が平成26年なので、水に関する中間報告が出た時や、あとはこないだの環境保全に関するとりまとめより前なので、大量の湧水や環境への影響に関しては、回避策が既にJR東海から示されたと思うんですがこの点はどうなんですか。

 

(知事)

それは回避策が今回、問題になったんじゃないですか。調査不足だということですね。そして1回目の時はですね、これは47項目のうちの流量に関わることに閉していたわけです。ですから、新たに委員を変えて、この生態系に関わる中村太先生を座長とする委員会が設けられたと。これは環境に関わることですから。前のやつは流量に関わる工学的な話でございましたから、違いますよね。今は、この生態系に係るものは文字通り、環境省。ですから環境省がオブザーバーとして委員会出てるじゃありませんか、一貫して出ておられました。前のやつに出ておられませんよ。前の有識者会議には。今回の有識者会議が、環境省にとって重要な会議であると。ですからオブザーバーとしてですね、担当者が出ていたわけです。

 

(記者)

ありがとうございます。すみません、最後の質問します。このユネスコエコパークの保全に関して、JR東海に、あるいは環境大臣に、積極的な関与を求めているところなんですが、ユネスコパークの全体の、なんていうんですかね広さで見ると、静岡市とかあと川根の方も含まれてると思うんですが、当然そこにはトンネルもあり工場もあり人も住んでると思うんですが、これら事業者や、あるいは生活者に対して、このJR東海にはかなりここまでちゃんとしろと言ってるのに、その辺の、例えばトンネルの建設ですとか、工場の建設の際にも、環境への影響をゼロにするようにお願いってされてるんですかね。

 

(知事)

これは国家的事業としてですね、大臣意見が出されて、そしてあの国交大臣が事業主体を任命してやってるわけですから。ですから、これは中には国策という人がいますけれども、国策というよりも国家的事業だという認識です。国策は、国立公園とそれからユネスコのエコパーク、これを保全するための国策であるというのが私の認識でございまして、そうしたものと他のありとあらゆるものをですね、同列に論じることはできないと思っております。

 

(記者)

そうすると、まとめると、ユネスコエコパーク内の地表改変部分において、環境への影響を0にするように要請しているのは、JR東海に対してのみになるんですかね。

 

(知事)

これはですね、おそらく今度出るであろう、その再審査に関わる関係者による報告書ですね、おそらくその冒頭に書かれるであろう、この10年間で最も大きな変化、これをもたらしたものは、JR東海による南アルプストンネル工事が決まって、こうこうこういう状況になってると。これがですね、最大の報告事項のものになるんではないかと思いますね。したがって、今、どの程度まとめられてるのか知りませんけども、やはり関係者、文科省、国交省、環境省はですね、国交省は、あるいはもうお持ちですけども、ユネスコエコパークとの関わりで、今回の問題点、残されている課題、課題と対策という形で、今回の報告書は作られております。資料も、未公開資料も含まれてます。なぜかというと希少動物が、生物がいるから、それを、どこにいるのか、生息しているのかということが、希少生物に対して危害に結びつきかねないということから、それくらい重要なことで、500ページを優に越すわけですね。ですからこれはですね、共有した方がいいと。特にあの3つの省、文科省、環境省、国交省さんはこれを共有していただいてですね、ユネスコエコパークの再審査があった後ですね、なんだこんなことだったのかと言われることのないようにしないといけないんじゃないかと思います。

 

(記者)

わかりました。ありがとうございます。

 

(知事)

最後の質問に、最後の質問にしてくださいね。3時半ですので。

 

(幹事社)

質問いかがでしょうか。

 

(職員)

30分なので、これ最後の質問で。

 

(記者)

すいません、昨日の議会でリニア中央新幹線開通後の県内の東海道新幹線のダイヤについて、県の答弁で、「ひかり」の増便などを国やJRに働きかけていくということの答弁があったんですけども、昨日の、JR東海の丹羽社長の会見で、来年3月に予定するダイヤ改正に合わせて、「ひかり」が静岡駅・浜松駅に停車する回数を、夜間それぞれ1回ずつ増やす方針を明らかにしたんですけども、知事の受け止めはいかがでしょうか。

 

(知事)

それは今、初めてお聞きしまして、丹羽社長さんがですね、静岡県の交通の便を考えてくださるのは非常にありがたいですね。はい。

 

(幹事社)

質問なければ、以上で終わります。

 

(知事)

ありがとうございました。




ページの先頭へ戻る